絶対的規約事項5  共用部分の共有関係④

信州は上田市で、マンション管理士をしております雪入です。さて今日は、マンションの共用部分について、全員の同意があれば、抵当権の設定を行う事ができるのかどうかについて解説してみたいと思います。ただしマンションの共用部分には「法定共用部分」と「規約共用部分」があるので、まずは「法定共用部分」について解説したいと思います。

①「法定共用部分」

そもそも、不動産の物件の取得や喪失また変更などは、登記をしておかないと第三者に対抗できないのが原則です(民法第177条)。従って民法上の共有では、共有物の持ち分を譲り受けた者は、その持ち分を登記しておかなければ第三者に対抗する事はできません。裏を返せば、登記さえすれば第三者に対抗する事が出来ます。ちなみに「第三者に対抗できない」とは、当事者以外の他人に対しては「俺のものだ!」と主張する事ができない、という意味です。

しかし、現実問題として、マンションの共用部分の持ち分については、その有する専有部分を所有している区分所有者が自由に譲渡出来るとすると、権利関係が錯綜することになり、他の区分所有者の権利にも多大な影響が生じます。 そこでマンションにおいては、共用部分の持ち分を専有部分と分離して処分することは原則として禁止されており(区分所有法第15条第2項)、共用部分の持ち分は、その有する専有部分の処分に従わなければなりません(同条第1項)。 また共用部分の持ち分を、その有する専有部分の処分に従う事にすると、登記についても、専有部分の登記をもって、共用部分の持ち分を第三者に対抗する事が出来るようにする事が必要です。そこで区分所有法は、第11条3項において、「民法177条の規定は、共用部分には適用しない。」と規定しました。つまり、共用部分の持ち分の取得を共用部分に登記しなくても、専有部分の取得の登記で、共用部分の持ち分の取得を第三者に対抗する事が出来る、としたのです。

従って、マンションの法定共用部分については、そもそも登記する事自体が不可能なので、登記をした物件に、登記をすることで第三者に対する対抗要件とする事が出来る抵当権の設定は出来ない事になります。次回は「規約共用部分」について抵当権の設定ができるかについて解説してみたいと思います。

マンション管理士 雪入 憲生(Norio Yukiire)

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